【高評価】「忘れがたい質感の良さ」 「メソポタミア」さんの「ヤタロー　治一郎のバームクーヘン」についてのクチコミ・評価

忘れがたい質感の良さ
有名な治一郎のバームクーヘン、人生で二度目の邂逅である。
ずっしり重く、なかなかの高さがあり、密に詰まった生地感は一目瞭然なのだが、ナイフを入れるとスッとしなやかに吸い込まれるように刃が入り、切り屑はほとんど出ない。この質感こそが治一郎の命だ。

層を剥がすように裂いてみればそのしなやかさがよく分かる。途中で折れたりせず、まるで裂けるチーズのように最後までスーッと生地がついてくる。
舌触りはもう抜群。しっとりの極みである。きめ細やかで、弾力もあり、口内でスルリとほどけるようだ。粉っぽさなんて感じようがない。
つまりオイリーだと言えなくもないのだが、ジュワッと滴るようなオイル感とは違い、指先が少しテカテカする位のしっとり感だ。

味わいそのものはごくプレーンな卵風味。甘さも風味もクドくないし、周りのグレーズにうっすら塩気があるので、ついついと食べ進めやすく、無難と言えば無難である。

初めて頂いた時ほどの感動はなかったが、この質感ばかりは唯一無二かもしれない。
しっとり系の焼菓子が好きな方には強くお勧めしたい。