ありがとうがらし!発売30周年の「カラムーチョ」担当者はダジャレに悩む青年でした

公開日:2014/11/4更新日:2016/6/20

誰もが一度は食べたことのある株式会社湖池屋の「カラムーチョ」。そんな「カラムーチョ」が2014年9月で発売30周年を迎えました。そこで、もぐナビ編集部では発売当時から現在までの「カラムーチョ」にまつわることを担当者にインタビューしてきました。

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エントランスに並べられていた「カラムーチョ」シリーズ

「カラムーチョ」誕生の瞬間

――「カラムーチョ」誕生30周年と言うことで、まずは当時の開発の経緯をお伺いできればと思います。

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左からブランド担当の田畑さん、五月女さん、広報担当の小幡さん

五月女 当時の開発担当者が、アメリカのスナック菓子市場がどのようになっているのか視察に行ったそうです。そのときのアメリカではメキシコ料理が非常に流行っていて、スナックコーナーを見ると辛いフレーバーのポテトチップスが置いてあり、それに目を付けた開発者が持ち帰ってきました。 アメリカのポテトチップスというのは辛味に特化したものが多かったので、日本人の味覚に合わせた“辛味”と“旨味”を味わえるポテトチップスを、当時の開発者が調合開発して「カラムーチョ」の発売に至りました。

――当時、あまり売れなかったというのは本当ですか。

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編集部で試食した「カラムーチョ」は変わらない辛さとおいしさでした。

五月女 最初は日本に辛いポテトスナックがなくて、なかなか受け入れられづらい状況が続きました。「カラムーチョ」が出るまでは、ポテトスナックは女性やお子様を中心によく食べられていたものだったのです。ただ、とあるコンビニエンスストアで「カラムーチョ」が採用になり、コンビニ利用客の中心であった若い男性からじわりじわりと口コミで広がっていきました。“ヒーおばあちゃん”のCMもあり、“激辛ブーム”の火付け役にまでなるようなブランドへと成長していったという経緯ですね。

collect-repo_13688-4ヒーおばあちゃん

ダジャレへの思い

――若い男性の口コミから知名度が上がり、今年で30周年ですが、その間に「カラムーチョ」の味は変わっているのでしょうか。

五月女 基本は変えてません。調整はありますが、ベースは一緒です。

――同じ味で勝負し続けているのですね。「カラムーチョ」は定番の“ホットチリ味”がある中で、他にいろんなフレーバーの展開をしていますよね。

五月女 “わさび味”や“からし味”などを展開してきました。

――ちなみに、現在発売中の「カラくないカラムーチョ ノットチリ味」のコンセプトはなんですか。

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「カラムーチョ」から辛味を空(から)にした「カラくないカラムーチョ ノットチリ味」

五月女 この商品は30周年を迎えた「カラムーチョ」一発目の新商品です。 “カラムーチョらしさ”と私どもが言っている、“驚きと楽しさ“のプロモーションを、30周年の新商品からも新たに発信する必要があると考えました。新規のユーザーや休眠ユーザーに向けた新商品として、通常やらなさそうな突拍子もないことをやろうと考え、あえて“カラムーチョだけど、辛さを無くそう”と話題化を狙いました。

――どういう味がするのでしょうか?

五月女 食べたら「カラムーチョ」の味です。でも、辛くないんです。 開発担当にはすごく苦労させてしまったのですが、30年培ってきたノウハウでなんとか開発しました。

――今回の「カラくないカラムーチョ」とかもそうだと思うのですが、結構ジャレが好きな企業なのかなと(笑)。

五月女 「カラムーチョ」のパッケージの後ろに“カラムーチョ川柳”が載っているのですが、その中で“宴会で 酔った同僚 カラムーチョ”のように、ダジャレ川柳的なものも私が考えています。 「カラムーチョ」はフレーバーを考えるのも重要ですが、その一方でこういったダジャレを考えるのも重要なブランドでして、それに頭を悩ませています。 30年前のパッケージに“こんなに辛くてインカ帝国!?”という、我々にとっては神様のようなダジャレが載っていました。そこからの始まりなので、“これはもう引き継いでいかなければならない”という使命感があります。

小幡 ダジャレなどの決まったフォーマットで、「カラムーチョ」を見ればこれがあるっていうわけではないのですが、やはり時代に合わせて、商品を食べたときや手に取ったときに“驚きや楽しさ”を感じて頂きたいというのがあるので、“カラムーチョ体験”と言うと大げさなのですが、そういった感覚を提供するために各担当が知恵を絞って考えています。

その他の“カラムーチョ川柳”
・おばあちゃん 「彼は」と言わず 「He(ヒー)」と言う
・宴会で 酔った同僚 カラムーチョ
・じゃがいもと 辛味が絡むちょ おいしいよ♪

「カラムーチョ」の海外進出

――パッケージで言うと、おばあちゃんのキャラクターが二人いますが、使い分けはあるんですか。

五月女 そうですね。ヒーおばあちゃんが「カラムーチョ」のキャラクターとして、ヒーヒーおばあちゃんが「すっぱムーチョ」のキャラクターとして位置づけしています。

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ヒーヒーおばあちゃん

――「すっぱムーチョ」も定番になっていますよね。

小幡 そうですね。もう20年を超えているブランドになるので。

――「すっぱムーチョ」開発のスタートはどんな感じだったんですか?

小幡 もともと、カラムーチョは“辛くておいしい”というものでヒットしたと。その一方で、“辛くておいしい”ではない方向性で、“酸っぱくておいしい”商品を作ろうという中で出てきたのが「すっぱムーチョ」になります。

田畑 「カラムーチョ」はメキシコ料理をヒントにしたものであるんですけど、「すっぱムーチョ」はもともとイギリスにフィッシュアンドチップスという酸味の強い食べ物があって、それに感化された部分がありますね。

――どちらも海外から影響を受けた商品なのですね。海外から輸入し、日本風にアレンジした商品を海外へ、といった戦略はありますか。

田畑 今「カラムーチョ」を海外展開し始めているところです。 不思議なもので、「カラムーチョ」は日本の商品ですが、海外で調査をしても、“辛い食べ物”ということがパッケージから伝わるようです。日本で始まった「カラムーチョ」は、海外でも “辛い食べ物”とイメージされているようです。

――「カラムーチョ」ならアメリカ、「すっぱムーチョ」ならイギリスへそれぞれ乗り込む、といった戦略はあるんですか。

田畑 北米では一部、「カラムーチョ」が流通していますね。ただ、まだ、本格的に進出しているとは言えないですけど。

今日より明日

――今後の海外進出が楽しみですね。 最後にお聞きしたいことがあります。現在、意識している「カラムーチョ」のライバル商品はありますか?

田畑 特には……。「カラムーチョ」は独創的な商品という位置づけでやっていきたいと思っているので、他を意識するということはないです。

――かっこいいですね。

五月女 私は常に“今日より明日”を信条にしております。

――ありがとうございました。

 

今回の取材では、株式会社湖池屋のユニークな社員の人たちの“商品を通じて驚きや楽しさを伝えたい”という思いと、商品への愛情を強く感じました。「カラムーチョ」の今後の展開が楽しみですね。

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ライター:もぐナビ編集部
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