冷蔵庫に残っている5つの食材を使って14品もの料理を次々に作り上げる、そんな魔法のような“伝説の家政婦”の作りおきレシピ本が、5万部を超えて話題となっています。
掃除や料理、買い物などを代行するハウスキーパーと出会える、いま話題の家事代行マッチングサービス『タスカジ』。
そのタスカジ初の公式レシピ本(『予約がとれない伝説の家政婦が教える魔法の作りおき』主婦と生活社)です。
今回は、この本に登場している4人の“伝説の家政婦”のひとり、初の“料理専門”ハウスキーパーとして、タスカジに作りおきブームをもたらしたKotoさんにお話をうかがいました。
伝説の家政婦”kotoさん”にインタビュー
作りおきレシピを作るときのポイントは、なんですか?
作りおきは、たくさんのメニューを一気に作るので、材料や手順を整理することが大切です。
作りおきに慣れるまでは、材料を書き出して、そこから組み合わせを考えて、どんなメニューができるか整理していきます。最初は書き出していたことが、だんだん慣れてくると、頭の中で整理することができるようになります。
作るときの時短のポイントは?
野菜は、鍋を変えずにあくの弱いものから順番に一つの鍋を使って茹でる。野菜を切る作業と茹でる作業、煮る料理と焼く(炒める)料理を同時進行すれば、時間も短くできます。
作りおきは計画的にまとめて作ることで、電気代やガス代、そして時間も節約できるなどいいこと尽くしです
おいしさの秘訣は?
煮物やカレーなどの加熱するお料理は、冷めるときに味がしみ込んで美味しくなります。マリネなども、作ってすぐよりも、寝かせることでおいしさがアップします。
作りおきレシピはどんな順番で食べたらよいですか?
1~2日目はフレッシュな状態で食べるもの。それ以降は寝かせて美味しくなるもの。最後は冷凍保存できるものといった具合に、食べる順番も考えておくとよいですね
魔法の作りおきレシピ① ツナとごぼうの炊きこみご飯
―材料(4人分)―
- 米 2合
- ツナ水煮缶 1缶(約70g)
- ごぼう 1本
- 昆布 10㎝角
- 酒・ポン酢醤油 各大さじ2
―下準備―
米をといでざるにあげておく。
ごぼうは皮をこそげ落としてささがきにする。水にさらしてアクを抜いてから水気をきっておく。
―作り方―
炊飯器にすべての材料を入れる。ツナ缶は汁ごと入れ、水を加えて2合の目盛りに合わせ、炊飯する。
―ポイント―
昆布とツナからダブルの出汁の相乗効果でうまみがアップ。塩や醤油をつかわず、ポン酢を使うことで、減塩もできる健康レシピです。
「ツナ水煮缶」以外におすすめの缶詰は?
本の中では、ツナ水煮缶を使ったレシピが紹介されています。他に、どんな缶詰が便利ですか?
ツナ水煮缶でなくても、さば、いわし、さんま、鮭、ほたて、カニなど魚の缶詰すべてはメインの一品も副菜も作ることができます。
魚の缶詰は汁の中に、水に溶けだしやすい栄養分がっています。汁ごと使うようにすると、栄養分を逃さず食べることができますよ。
どんなおすすめレシピがありますか?
すべての魚の缶詰のおすすめレシピは炊きこみご飯。シソやショウガをたっぷり使って、香りよく仕上げてください。みそ味のサバ缶で作る大根の煮物や、ホタテとカブの煮物など、魚の缶詰と野菜の煮物もおいしいです。
さんまの蒲焼の缶詰を使えば、値段が高いウナギの代わりにさんまのかば焼きの缶詰を使って、う巻き卵や、柳川風など手軽に作れます。
魔法の作りおきレシピ② ごぼうと水菜のごま風味ツナマヨサラダ
―材料(4人分)―
- ごぼう 2本
- 水菜 2袋
- ツナ水煮缶 2缶(約140g)
- ごま油・マヨネーズ 各大さじ2
- しょうゆ 小さじ2
- 白いりごま 大さじ4
- レモン汁 1個分
―下準備―
- ごぼうは皮をこそげ落として千切りにして、水にさらす。お湯に酢少々を入れて下ゆでをして、水気をきっておく。
- 水菜は4~5cmに切り、ごま油をからめておく。
―作り方―
- ツナ缶は汁を切り、マヨネーズ、しょうゆ、白いりごまと混ぜ合わせる。
- ごぼう、水菜を加えて全体をよく和え、仕上げにレモン汁をかけて、ひと混ぜする。
―ポイント―
ごぼうは酢を加えたお湯でサッとゆでると、真っ白で美しい仕上がりになります。水菜は
ごま油でコーティングすることで水気が出にくくなり、日持ちもします。
※4人分=4人家族で2回献立に使える分量を基本としています。
健康的な作りおきレシピのポイント
タスカジでは、どんなリクエストが多いですか?
冷蔵庫にあるものを使い切って欲しい、野菜中心の献立にして欲しいといったリクエストのほかに、減塩メニューでおいしいものをという要望も多いですね。
減塩のポイントについて教えてください。
単純に塩を減らすだけでは、薄味で満足感がない食事になってしまいます。おいしく減塩にするにはちょっとした工夫が必要です。
- だしをしっかり効かせる
- 酸味を効かせる(酢、黒酢、ポン酢など)
- かんきつ類の食材を使う(レモン、ゆず、スダチ、グレープフルーツなど)
- わさび、からし、しょうがなどの辛みを効かせる
- バジルやシソなどのハーブの香りを利用する
- 焼き目をつけて、香ばしさを出す
- 黒酢、まいたけなどを利用して、見た目の色を濃くする
味はもちろん、香りや見た目の工夫をするだけで、満足度がアップするので、ぜひ試してみてください。
ダイエットにおすすめの食材は?
鶏のささみや白身魚は糖質が少ないだけでなく、良質のたんぱく質がしっかり摂れる食材です。
野菜、きのこ類、海藻類、は、栄養たっぷりで、カロリー、糖質が低めの食材です、食物繊維もあるので、食事の最初に食することを勧めます。
最近、スーパーでも手に入るようになったラム肉は、脂肪の燃焼を促進してくれるカルニチンという成分が含まれているのでダイエットにもおすすめです。
ほかにダイエットのときに気をつけたほうがよいものはありますか?
食べなかったり、量を極端に減らすのではなく、栄養バランスに気を付けていくことです。
そのためには、栄養はたっぷりで、カロリー、糖質は低めの食材や調味料を知っておくといいでしょう。食材は、野菜、きのこ類、海藻類、鶏肉、白身魚など調味料はワインビネガー、ワイン、レモン汁などそして、パン粉→おからかたくり粉・小麦粉→きなこにチェンジすると、糖質カットできます。
まとめ
元介護施設の栄養士だったKotoさんは
「基本的な食事のバランスを守り、いろいろな食べ物をまんべんなくいただくことが、大切なポイントです」といいます。
そのベースとなるのはやはり、ちゃんとした家庭料理。時間のない方は、週末の作りおきにチャレンジして、家でごはんを食べる回数を少しでも増やしましょう。作りおきをしてみるのもおすすめです。
Kotoさん 元介護施設の栄養士
介護施設の栄養士として12年間、献立の考案や調理を担当。その経験から料理教室を主宰し、訪問調理の仕事を始める。タスカジでは作りおきの調理講習なども行っている。