若葉の緑映えるこのごろ、雨間を縫って冬の上着をクリーニングに出してきた。長いこと愛用していたダウンジャケット、愛着のあるものだがすっかり綿もかたより、とうとう引っ掛けて穴も開いてしまった。お別れのときが来たということなのだろう。古い衣を脱ぎ捨てて新しい自分になったなら、新たな出会いもあるだろうか。
「まるでキウイを冷凍したような食感のアイスバー」、フレッシュとフローズンのキウイを添えて
さて4月14日にセブンイレブンから“まるでアイスバー”の新たな仲間として発売された、「まるでキウイを冷凍したような食感のアイスバー」。キウイの中でもニュージーランド産のものを使用している。
キウイの産地として有名なニュージーランドは1年を通じて温暖かつ1日の中で寒暖の差が大きく、また火山灰地層による豊かな土壌がそこで採れるキウイの味わいを甘く濃厚なものとしているのだ。そしてこのシリーズの特徴である、それぞれのフルーツを再現した食感。今回は写真だけではわからないこの部分を確かめていきたい。
目立つパッケージと気になるワード
青紫によく映える黄緑色
黄緑色のキウイの果肉とアイスバーが配されるのは、補色となる青紫のパッケージ。アイスボックスの中でもかなり目立つ。そしてなんといっても“まるでキウイを冷凍したような食感”。普通に考えると凍ったキウイはただガチガチに固まっているだけのように思えるが、それではアピールポイントになるまい。はたしてどういうことなのか気になるところだ。またキウイフルーツの果汁と果肉が35%使用されているとあり、味わいにも期待が高まる。
外見は冷凍キウイそっくり
うっすらおしろいをはたいたその姿はほとんど冷凍キウイと区別がつかない
袋から取り出して冷凍したスライスキウイの上に置いてみると見事にそっくりの色味だった。黒ゴマのように見えるのは本物のキウイの種子。あのカリカリした歯触りもキウイの食感の特徴だけに、結構手間をかけてそれを再現しようとしているようだ。
やはりカチカチの冷凍キウイ
冷凍庫から出したてのアイスバーなみの固さ
アイスバーの食感を確かめる前に、まずは冷凍した本物のキウイのそれを確認してみよう。歯を立てると噛めないほどではないがやはり結構固く、ガリガリシャクシャクした歯触りはむしろ普通のアイスバーに近いものがある。凍って全体が固くなっているため種の食感はほとんど感じない。
味はといえば、温度が下がると甘味の感じ方は弱くなることもあり、そのまま食べるにはちょっと酸味が勝っているようだ。
冷凍キウイというよりも
食べごろ生キウイの歯応え
そしていよいよアイスバー。しっかり凍っているはずだが、ずぶずぶと歯が沈んでいく感触ははっきり冷凍キウイとは違う。サックリ噛み切れたひとかけを噛んだときのシャリシャリしつつもねっとりした歯触り、そしてその中のカリカリした種を感じられる食感はむしろ生のキウイのそれのようだ。
味は程よく甘酸っぱく、キウイらしいフルーティーさも感じられて文句なくおいしいと言えるバランスとなっている。言うなれば氷温までキンと冷やした、飛び切り甘い生キウイ。いい意味で名前を裏切る驚きの食感だった。
白い芯は再現されていない
断面を見ると中まで緑で白い芯が再現されていないのが少々残念ではあるが、食感や味にはかかわりない部分であるし、また再現しようとしてクリームなど入れては逆に食べてキウイと言えないような物になってしまうだろう。ただこんな無茶を言いたくなるほどの見事な再現度である、ということだ。
まだこのシリーズを試していない方は、この機会にぜひ確かめてみて欲しい。きっと新鮮な驚きに出会えることだろう。
それでは、このレビューがたくさんの新たな出会いに繋がることを祈りつつ筆を置きたい。