このごろ日中はすっかり初夏を思わせる陽気だが、朝はまだそれほどではない。穏やかな日差しが温かく降りそそぐなか通り抜けるさわやかな風を感じていると、やはり春なのだなあと心和むようだ。
さて、皆さんは“日向夏”と言う果物をご存知だろうか。日向の国、今で言う宮崎県で生まれ、夏に食べごろとなるかんきつ類ゆえ“日向夏”というわけだ。
その果肉は瑞々しく、さわやかな香りと酸味が勝った甘酸っぱさがあるのだが、それ以上に特徴的なのはその皮である。
かんきつ類の皮の表面の黄色やオレンジの薄皮と果肉との間の白い綿のような部分、これを白皮とかアルベドなどと呼ぶのだが、普通のミカンやオレンジはここに苦味や渋みがあり、そのまま食べることはできない。しかし日向夏の白皮には苦味がなくむしろほのかな甘味すらあり、ふわふわとした綿のような食感を楽しむことができるのだ。
日向夏の2つの食感を再現した「まるで白皮つき 日向夏グミ」
日向夏の2つの食感を再現した「まるで白皮つき 日向夏グミ」
今日ご紹介するのは、そんな日向夏の果肉の味と白皮の食感を再現したグミ、カバヤ「まるで白皮つき 日向夏グミ」である。
見た目はそっくり
果肉風と白皮風、黄色と白の組み合わせは確かに日向夏そのもの
果肉風と白皮風、黄色と白の組み合わせは確かに日向夏そのもの
パッケージの写真を見る限り、グミは黄色い皮を薄く剥かれてカットされた日向夏の姿をよく再現しているようだ。宮崎県産の日向夏果汁を使用したという果肉風グミの味も気になるところだが、やはりなんといってもグミであるにもかかわらずふかふか食感という“白皮風グミ”が見所だろう。
ふわっと柔らかい手応え
細い筋も入って果肉の袋を表現
細い筋も入って果肉の袋を表現
器にあけてよく見ても袋の中のつぶつぶこそないものの、“果肉風グミ”には白く細い筋も入ってたしかに皮を剥いて小さくカットした夏みかんのように見える。
手にとってみると、柔らかいグミの表面が少し乾いて固くなったような手応え。特に“白皮風グミ”はふかふかとしてマシュマロのようだ。
しげしげ眺めていると、柑橘のさわやかさを伴った甘酸っぱくも独特の香りがふわりと漂う。
くしゅっと崩れるはかなさ、甘酸っぱさ
どこか綿菓子を思わせる“白皮風グミ”の食感
どこか綿菓子を思わせる“白皮風グミ”の食感
香りに誘われるように、手にした粒を口に入れた。マシュマロのようだった“白皮風グミ”は水分に会うとくしゅっと崩れ、舌先に甘さが広がる。その甘くはかない消え様は、どこか綿菓子を思わせる。
“果肉風グミ”を噛むとこちらはやはり柔らかめのグミの歯応え。ひと噛みごとにあふれる甘酸っぱさには、ほのかに夏みかんらしいほろ苦さが秘められていた。
さわやかでどこかやさしい
「まるで白皮つき 日向夏グミ」、その味わいは甘酸っぱくもさわやかで、柔らかい弾力とはかなく崩れる2つの食感はどこかやさしい。ちょうどこの春の朝のようだ。しかし穏やかな朝の日差しがやがて強い昼のそれになるように、日一日と夏が近づいてきている。厳しい暑さに参りがちなとき、このグミを食べて心和ませるのもいいかもしれない。
それでは昼の日差し、夏の暑さに負けないよう身体を動かし、汗をかいて備えよう。疲れても大丈夫、まだグミはそこにある。