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羨ましかった友達のお弁当
アメリカンチェリーといえば、小学校の時の遠足で、家から持ってきたお弁当をみんなで仲良く広げた時に友達のお弁当に入っていたのが初対面だった。
面倒くさがりな母が作った茶色一辺倒な私のお弁当と違って、その子のは赤、黄、緑、実に鮮やか。おまけに紫までいるじゃないか。
初めて見る紫のそれは、私が知ってるサクランボとは違う。黒に近い毒々しい紫色、ビッグサイズ。一体どんな味なんだと思い、その子のアメリカンチェリーと私の唯一の彩りだった卵焼きを物々交換したけれど、なんだか青臭くて普通のより美味しくないな…と落胆したんだ。
帰宅して、その子に「カザグルマンのお弁当、茶色だね!」と言われたことを悪気なく母に報告したら、「なんて名前の子だい!」てキレたことまで鮮明に覚えてる。