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ベタな関東人としては一押し銘柄。
この「くめ納豆(秘伝金印)」は、少し発酵を進ませて豆が軟化した状態になってから食べるのが好きだ。その引く糸の粘りはシルキーで口当たりも旨味も申し分ない。納豆臭はどことなく優美さがあり、かすかに稲わらやなめこや麦味噌の香り、熟し切ったアボカドやクリーミーなチーズのニュアンスがある。発酵を進ませても変に臭く変化することもない。昭和期の藁つと納豆のような野性味はさほどない納豆の代わりに、現代的で洗練されたテイストである。
付属のタレに関しては、量が多くて味が濃いという意見もあるが、北関東や甲州の遺伝子を受け継ぐベタな関東人としてはこの濃さでないと物足りない。もちろんタレは最初から加減して使う物であって、律儀に全部かける必要などまったくないのは言うまでもない。
願わくばもう少し値段がこなれていれば言うことなし。やはりデイリーユース納豆としてはやや高い。自分は一度に1包(3パック)潰すので、値段もさることながら保管の問題もあり、なかなか毎日というわけにはいかないのが残念。