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これぞ濃厚豚骨醤油
コレまだ食べとらんかったんよ。日清の麺NIPPON行列のできる店の和歌山特濃豚骨しょうゆ。スーパーのカップ麺コーナーに鎮座しとったんよ。カップの大きさもパケも堂々としとるんよ。まるで「そこのおっさん、毎回のように我輩の前を通り過ぎておるが、お主の目は節穴か?」て言うてるような感じ。「あいやーっ!こりゃ大変失礼いたしやした。ワテとしたことが。直ちに実食させていただきます。」なんて調子こくと、「ばかものーっ!お前のような腑抜けに食べさせるカップ麺などあるかーっ!」と怒鳴られるわけ。そーゆーときは「ひぃぃっ!ご勘弁を〜っ!」なんて命乞いをしてみるわけ。そんなの関係なしに相手は「無礼者ーっ!」と切りつけてくるわけよ。そんときゃ潔く「うわぁぁっ!やられたーっ!」てな感じで負けてみせるわけ。すると相手は「ほれみろ、我輩の言うことを聞かぬからじゃ。むぉっほっほ。」と満足するわけよ。ね。ところがさ、いきなり言い訳から始める輩がおるんよ。相手の感情を逆撫でするわけ。しかも怒鳴られるあいだは下向いてじっと黙ったまま。早くこの苦痛な時間が終わらないかな〜的な感じで。さらに相手が刀を振り下ろしてるのに無反応なわけ。それじゃお代官様が切った心地しないやん。だーから相手の気持ちがおさまらないわけよ。もっと上手にチャンバラしなさいって言うんやけどね。プロレスでもええよ。上手に投げられなさいって話よ。何回もやってりゃそのうち相手も「あいつ分かってるな」てなるわけよ。少々不手際あっても多めに見てもらえるわけ。そうなりゃもうこっちのもんよ。逆にその難しいおっさんを手のひらの上で踊らせるわけ。って何の話?あぁ和歌山特濃の話やったね。漢字変換したら「和歌山と苦悩」って出てきたもんでつい苦労話が出てもうたわいな。フタを開けると小袋が3つ。かやくと粉末スープと液体スープ。先にかやくと粉末スープを入れてから熱湯を注ぐんよ。待つこと4分。麺をほぐすんやけど、固まっててなかなかしぶといんよ。しぶといといやぁ昭和のおっさんやね。まぁむやみに抵抗しないことよ。箸先を突っ込んでチョイ動かして、流れに身を任せておれば、徐々に馴染んでくるもんよ。組織の中でひとり抵抗したところでどうにもならんのよ。ね。ん?おっとまた脱線してもうたわいな。最後に液体スープをインすれば出来上がり。とここで豚脂のクチャいにおいがプーンとしてきたわいな。そういやさ、職場で靴を脱いで足の臭いニオイをプンプンさせとるおっさんがいるんやけど、ありゃ公害やん。処分してほしいんやけど。職場の女子も書類を持っていきたくないって言っとるんよ。ちゃんと消臭剤とか使ってほしいわいな。でもかわいそうやね。豚骨ラーメンの豚脂の匂いは許してもらえるのに、おっさんの足の匂いは誰にも許してもらえないもんね。職場でも家庭でも邪魔者扱い。そんなおっさんが酒を飲んで息抜きして〆に食べるのがラーメン。いわば、おっさん達が育ててきた味なんやろね。1ミリくらい有難さを感じないとあかんやね。って何の話?さっさと食べな麺がのびてまうわいな。といわけで麺からいくべ。ズルズルズル... うまいっ!そりゃ日清のノンフライ麺やもん。ほぐすのに一苦労するくらいのやつやもん。中細やけどコシも弾力もあるわいな。スープをズズズと。うまいっ!これぞ濃厚豚骨醤油って味。旨味たっぷり。文句ないわ。具材はチャーシューとナルトとメンマとネギ。チャーシューは薄くて小さいけど、そんなの問題じゃないわ。もうスープが最高。ホンマに美味しい。ね。なんだかんだ大変な時期があってもさ、最後にはさ、嬉しい瞬間もあったりするわけよ。だから逃げずに、向き合って、ひとつひとつ乗り越えていくわけ。最後まで話が逸れっぱなしやったわいな。ごちそうさま。
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